ここのところ,各中学校が開催する県立高校説明会に呼ばれて,直接中学生に向けてお話をする機会を頂戴しています。一生懸命に聞き漏らすまいと集中してくれている姿に,高校3年間はあっという間に過ぎてしまうからこそ,自分に合った学校に入学してくださいとお伝えしています。
学校選択の方法として,偏差値という物差しがあります。それによって,自分の現在の学力に合った高校を選ぶという選択方法もあります。
しかし,高校を決める方法は,それだけでいいのでしょうか。私は,何よりも大事にしてほしいことは,現在の結果(偏差値がいくつだから)よりも,自分が高校で何を頑張りたいのか,その頑張ることができる高校であるのかという視点をもって選ぶということです。
本校では,入学後,次の次のステージ(自分たちが大人になって主役となる舞台を指します)において,どれだけ輝ける人になっているのか,そのために必要な学びを大事にしています。これは,本校でなくても,自分が選んだ高校で,様々な学びを見付け「トライ&エラー」精神で,人間的にも,資質・能力的にも伸ばすことが大事になってきます。
具体的に,学校を選ぶ視点の一つに,授業において,どのような学びが大切にされているのかがあります。単に知識を伝達するだけなのか,学びをどのように支援してくれているのか,特に教室以外の学びの場では,どのような学びが展開されているのかなどを,自分の目で見て確かめることが大事なのではないでしょうか。
本校では,校長室においても,訪ねてきてくれれば,私と雑談をしながら,子どもたちは学んでいます。そのメンバーが中心となって,「ミライcafe」店長とスタッフを担ってくれています。「ミライcafe」とは,お話を伺いたい大人を,自分たちで交渉してお呼びします。お茶を飲みながら,お菓子を食べながら,懇談会形式で,仕事のやりがいや高校時代のこと,今描いている夢などのお話を拝聴し,そのうえで大人に質問します。参加した生徒からは,自分がなぜ学ぶのか,学ばなくてはいけないのかが認識できた。学ぶ動機付けになった。授業で学習していることも学びにつなげていかなくてはいけないと思ったなど,学ぶ心に灯がともったような前向きな感想が寄せられています。
現在,「ミライcafe」では,フィンランド在住の方と,オンライン会議を用いて「オンライン修学旅行」の企画を練ってくれています。コンセプトは「人めぐり」だそうです。このような学びは,教室で得た知識や学びを総動員します。大人と対等にお話をするためには,事前にその分野のことや周辺の情報を得ていなくてはなりません。まさに自主的な学びがそこにあります。自分たちで学ぶから,教室での学習にも成果が返って行くのだと思います。
ここから中学生の皆さんがどのような選択をするのか,それも高校で自分を成長させるための大きな学びです。お手伝いはいくらでもします。学校見学にも,ご連絡いただければ案内します。悔いのない選択をしてください。できることならば,来春水戸二高でお逢いできることを願っております。